女性で一人暮らしをしていると、自分の最期に対して漠然とした不安を持つものです。
そんなときに終活をしようと思い立つものの、いざ始めようとすると「何から始めればよいかわからない」「一人暮らし女性だから必要な終活ってある?」と不安や疑問も出てくるでしょう。
この記事では、そんな一人暮らしの女性のために終活のやり方を紹介しています。
おひとりさまだからこそ押さえたいポイントも解説しているので、参考にしてください。
一人暮らし女性の終活もやることはそこまで変わらない
結論からいえば、一人暮らしの女性であっても終活においてやるべきことに大きな違いはありません。
基本的に年齢や性別に関わらず、以下のチェックリストに則って進めていけば問題ないでしょう。
上記のなかでも一人暮らしの女性やおひとりさまの場合は、医療や介護の意向など優先することが大切です。
以下の章では、一人暮らし女性がまず率先して行いたいことを詳しく解説します。
また、終活の基本事項について事前に確認しておきたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
一読するだけで終活で何をすべきか、いつ行うべきかなどを網羅的に学べます。
一人暮らし女性が終活でまず行うべきこと
一人暮らし女性であっても終活でやるべきことは変わりません。
しかし、優先して取り組むべきことはあります。
具体的には以下の3点について、早めに対策を取ることが大切です。
それぞれ詳しく解説します。
医療・介護への備え
おひとりさまの女性の場合は、医療や介護への備えがあらかじめ必要です。
特に「延命措置は行うのか」などの医療に関する意向や「認知症になったらどうするか」などの介護に関する意向は早めに決めておくべきでしょう。
病気や老後を迎えたとしてもあなたの意識がはっきりとしているうちは、自分の医療などについて自分で判断することができます。
しかし脳出血などで意識が混濁しているようなケースでは、はっきりとした判断が行なえず自分の医療に関する気持ちなどを医師に伝えることはできません。
意識がはっきりするうりにエンディングノートなどに意向を記しておくなど対策が必須です。
また実際に入院や老人ホームへの入所となった際は、身元保証人を立てる必要もあります。
おひとりさま女性で身寄りのない場合は、外部サービスなどを利用して身元保証人になってくれる人を探しておくことも大切でしょう。
詳しくは「おひとりさまで身寄りなしの女性が終活でやるべきこと」で解説しています。
認知症への備え
一人暮らし女性は認知症への備えも大切です。
認知症で判断が低下している際には、保護してくれる存在が必要になります。
事前に「成年後見人制度」などを利用して、いざというときに備えましょう。
認知症はなってからでは対策の取りようがないので、終活を通じて事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
詳しくは「おひとりさまで身寄りなしの女性が終活でやるべきこと」で解説しています。
死後への備え
死後への備えも忘れてはいけません。
あなたが亡くなったあとは、葬儀や納骨、病院への支払や住居の解約など多くの手続きがあります。
なかには専門的な知識が必要な場合であったり、遺産などを管理しなければいけなかったりするケースもあります。
死後への備えは生前に「死後事務委任契約」などを契約して、第三者に託しておくことで対策可能です。
詳しくは「おひとりさまで身寄りなしの女性が終活でやるべきこと」で解説しています。
一人暮らし女性が終活を行なわないリスク
一人暮らし女性は、家族と生活している人以上に終活を行っておく必要があります。
一人暮らし女性が終活を行なわないリスクを参考にして、危機感をもち終活を始めましょう。
孤独死の危険性がある
終活を行なわない一人暮らしの女性に最も多いのが孤独死のリスクです。
周りに自分以外の人がいない一人暮らし女性は、いざ自分の身に何かがあった際に気付いてくれる人が少ないです。
そのため、定期的に様子を見てくれる人がいないと孤独死をしてしまうリスクも高まるでしょう。
特に老後は身体の自由も聞きにくくなり、外に出ることも億劫になるものです。
より外部との関係も希薄になり、一人でいる時間も多くなるでしょう。
一人暮らし女性があらかじめ見守りサービスなどに登録して、孤独死に備えることは必須と言えます。
介護が必要なときに助けがなくなる
一人暮らし女性は介護が必要なときに助けがいないリスクもあります。
高齢になればなるほど、体の自由がきかなくなるばかりか、認知症などを発症するリスクも高まります。
その際に頼りになる旦那や家族がいないので、最悪の場合に財産管理などもままならない状態になってしまうでしょう。
事前に介護や財産管理で頼れる相手を見つけて、対策を取ることは非常に大切です。
身体の自由がきかなくなったり、認知症になったりしてからでは間に合いません。
遺産相続で悩む
遺産相続で悩む一人暮らし女性は多いです。
一人暮らしやおひとりさまには遺産相続は関係がないものと考える人も多いでしょう。
一般的に身寄りのない人の遺産は、国に入ることになっています。
しかし、遺言書などをしっかりと残しておくことで、お世話になった人や友人などに遺産を残すことも可能です。
金額の大小に関わらず、自分の最期にお世話になった人に遺産を相続してお礼の気持ちを伝えることもできます。
一人暮らし女性が終活を行うメリット
一人暮らし女性が終活を行うメリットは、以下の2つです。
メリットを理解することで、終活へのモチベーションを高められるでしょう。
孤独死の不安を減らせる
一人暮らしの女性が終活を行うメリットは、孤独死の不安を減らせることです。
身寄りのない人の大きな心配事は、孤独死のリスクがある点でしょう。
終活を行って事前に見守りサービスなどに登録しておけば、定期的に様子を見に来てくれ孤独死を防ぐことが可能です。
また「成年後見人制度」や「死後事務委任契約」なども進めておけば、認知症時や亡くなったあとも任された人が手続きを行ってくれます。
終活を行うことで、死に対する不安を和らげることができるでしょう。
老後を前向きに迎えられる
終活を行うことで、老後を前向きに捉えることも可能です。
自分の死に対して大きな不安があると、せっかくの老後を楽しむことができません。
しかし、いざという時の対策がしっかりと取れていれば、心配事も少なく前向きな気持ちで日々を過ごせるでしょう。
老後に始めたいことや行ってみたい旅行先など楽しい計画を立てることもできますよ。
一人暮らし女性ならではの終活のポイント
一人暮らしの女性であっても、終活で行うべきことに大きな変わりはありません。
しかし、一人暮らし女性だからこそ気を付けたいポイントがあるのも事実です。
ここでは、一人暮らし女性ならではの終活のポイントを解説します。
災害や非常事態に備えておく
一人暮らし女性は災害などの非常事態に備えておくことが大切です。
女性は一般的にどうしても男性よりも力が劣ってしうため、災害などが発生した際に大きな怪我や死亡するリスクも高まります。
例えば、地震により重いものの下敷きになり動かせなくなったり、火事の際に逃げ出せなかったりといったケースも考えられます。
普段から防災意識を高めて過ごすことで、いざという時にリスクを押さえられるでしょう。
高い位置にものをおかない、家具を固定しておくなどの対策を行って非常事態に備えることが大切です。
無病息災を意識する
一人暮らし女性は、そもそも病気や怪我のない日々を送ることを心がけましょう。
高齢になると体力や筋力が衰えて、病気や怪我も多くなるものです。
特に女性は男性よりも筋肉の衰えが早いので、日々運動や健康的な生活を心がけることが大切です。
健康な生活を送っておけば、病気で倒れるといったリスクも減らせます。
防犯対策は万全に行う
一人暮らし女性で最も気を付けたいのが防犯です。
高齢の一人暮らし女性は、力も弱いため犯罪に巻き込まれてしまうリスクも高いです。
オートロックつきの家で暮らす、犯罪情報は良く収集しておくなど事前に防犯対策をとっておきましょう。
周辺環境の治安などにも気を配り、頼れる交番が近くにあるかや人通りの多さなども意識しておくことが大切です。
地域との交流やサービスを上手に活用する
一人暮らし女性は、地域との交流やサービスを上手に活用することも大切です。
一人暮らしが長引くとどうしても人とコミュニケーションを取る機会も減ってしまうもの。
あまりにも周りとコミュニケーションがないと、自宅で倒れても救急車を呼ぶことすらできません。
地域のコミュニケーションに参加したり見守りサービスなどに登録しておけば、定期的に人と会うこともでき安心です。
いざというときにはあなたの異変に気付いて、救急車や警察に連絡してくれる可能性もあるでしょう。
ペットの処遇も忘れずに考えておく
ペットを飼っている人は、亡くなったり入院したりした場合のペットの処遇も考えておきましょう。
きちんとペットについての終活を行っておかないと、最悪の場合は殺処分になってしまうケースもあります。
引き取ってくれる友人やNPO法人などを探しておけば、あなたに何かあった際も安心してペットを預けられます。
老後資金は前倒しで準備する
老後資金の準備は前倒しで準備することが大切です。
内閣府が平成23年に行なった調査によると、おひとりさま女性の3人に1人が年収120万未満というデータが出ています。
おひとりさま女性は夫の年収や遺族年金に頼ることもできないので、生活が困窮しがちです。
一般的に余裕のある老後を迎えるには、最低でも1,800万円が必要とも言われているので早め早めに老後資金を作るようにしましょう。
おひとりさまで身寄りなしの女性が終活でやるべきこと
ここからはおひとりさまで身寄りのない女性が終活でやるべきことを紹介します。
具体的には以下の対応が必要です。
身元保証人などを見つけておく
おひとりさま女性が終活する際は、身元保証人などをあらかじめ見つけておきましょう。
身元保証人は友人など親しい人に頼むことも可能ですが、気が引けるという場合は外部サービスを利用する手もあります。
例えば一般社団法人終活協議会では、高齢者の身元保証サービスを実施しています。
事前にサービスに登録しておけば、入院や施設への入所などの際に終活協議会が身元保証人になってくれるので安心です。
また、見守りサービスなども請け負っているので、孤独死のリスクも下げられます。
終活協議会について詳しく知りたい場合は、下記記事を参考にしてください。
死後事務委任などの契約を結ぶ
おひとりさま女性は死後事務委任契約などを結んでおくことが必須です。
死後事務委任契約はあなたが亡くなった際に葬儀や納骨、遺品整理の手続きなどを行ってくれる契約を結ぶことです。
生前に契約しておくことであなたの死後に必要な手続きを行ってくれます。
また、成年後見人制度に利用も大切です。
成年後見人制度はあなたが認知症になった際に、あなたに代わって財産などの管理を行ってくれる人を指します。
これら死後事務委任契約や成年後見人制度も特別な資格は必要なく誰にでもお願いすることが可能です。
先ほど紹介した一般社団法人終活協議会でも可能なので、ぜひ利用してみましょう。
葬式などをあらかじめ予約しておく
葬式をあらかじめ予約しておくことも良いでしょう。
現在は多くの葬儀屋で生前に自分の葬儀を決めておくこともできます。
あらかじめ費用や葬儀方法、納骨方法などを指定しておけば死後事務委任契約を依頼した人もスムーズに手続きを進められます。
近所の葬儀屋などに依頼して、あらかじめ話を進めておきましょう。
おひとり様遺言の作成もおすすめ
おひとりさまの場合でも遺言を作成することが可能です。
特にお世話になった人に財産を送りたい場合は、相続人調査をしっかりと行いましょう。
相続人調査とは自分の財産を受け取る資格のある親族を調べることです。
出生から現在までの戸籍を市区町村の役場から取り寄せることで調べられます。
この相続人調査をしっかりと行なわずにお世話になった人に勝手に送ってしまうと、後々になって遺留分侵害請求を受ける可能性があります。
遺留分侵害請求は裁判所では以下のように定義されています。
被相続人が財産を遺留分権利者以外に贈与又は遺贈し,遺留分に相当する財産を受け取ることができなかった場合,遺留分権利者は,贈与又は遺贈を受けた者に対し,遺留分を侵害されたとして,その侵害額に相当する金銭の支払を請求することできます。 これを遺留分侵害額の請求といいます。
引用:裁判所
つまり、後々になって相続人が現れると遺贈したはずの財産から侵害額を渡さなければいけなくなります。
相続人をしっかりと調べて正しく遺言書を作っておきましょう。
遺言書は法的拘束力があるものなので、弁護士や行政書士など専門家の助けを借りるのがおすすめです。
遺産相続の意向などをメッセージバンクに預けておくことも可能
遺産相続の意向が決まり、遺書を遺したあとはその遺書の存在を家族に認知してもらう必要があります。
弊社サービスの「メッセージバンク」は、預けておいたメッセージを任意のタイミングで親族や友人に送信できるサービスです。
あらかじめ遺産相続の意向をメッセージバンクに預けておき送信先と日時を設定しておけば、たとえあなたに不幸があったとしても設定した日時に確実に遺産相続の意向を伝えることが可能です。
遺言書の有無を相手に確実に伝えられるので、遺された遺族も遺産相続をスムーズに進められるでしょう。
また、あらゆるファイル形式のデータを預けておくこともできるので、あらかじめビデオメッセージを撮影して登録しておけばサプライズプレゼントを用意することもできますよ。
複数回にわたってメッセージを送信できるので、「姪っ子の毎年の誕生日にメッセージを送る」といった使い方も可能です。
気になる人は下記ボタンより、詳しい説明を読んでみてくださいね。
遺産は寄附もできる
遺産は何もしなければ国庫に帰属してしまうので、遺言を作成して特定の団体などに寄附することも可能です。
ただしこちらに関しても法的拘束力のある遺言書の作成が必須です。
詳しくは弁護士や行政書士などのスペシャリストに相談しましょう。
大切な誰かにメッセージを遺そう
ひとり身の女性であっても、大切な誰かにメッセージを残すことは大切です。
若いころお世話になった職場の人や友人、家族と離れて暮らす一人暮らしの女性には甥っ子や姪っ子がいる人もいるでしょう。
弊社のサービスの『メッセージバンク』は、大切な人にメッセージを遺せるサービスです。
メッセージは動画ファイルも送れるので、亡くなりそうなタイミングに事前に撮影して設定しておけばあなたに不幸が訪れたあとでも生き生きとした姿を届けられますよ。
メッセージは複数登録して、遠い未来の時間を指定して配信することもできます。
姪っ子の卒業式や成人式、30歳を迎えた誕生日など長きに渡って定期的にビデオメッセージを送ることも可能です。
時空を超えて大切な人に寄り添えるメッセージバンクをぜひ、ご利用ください。
一人暮らし女性の終活に関するよくある質問
最後に一人暮らし女性の終活でよくある質問に回答します。
- Q一人暮らし女性は終活をいつから始めるべき?
- A
一人暮らし女性に関わらず、終活はいつからはじめても問題ありません。
むしろ早ければ早いほど、老後資金を貯めたり医療への備えができたりするのでメリットが多いです。
始めたいと思ったタイミングで始めてみましょう。
また、下記記事では終活の始め方なども詳しく解説しています。
一読することで、終活に関する理解を深められますよ。
- Q一人暮らしやシングルの女性は老後どこで生活するのが幸せ?
- A
一人暮らしやシングルの女性は経済状況や個人の感覚によって変わりますが、防犯対策が施されているマンションや高齢者施設の入所がおすすめです。
高齢女性は犯罪の被害にも会いやすいので、オートロックのような防犯対策の高さは大切です。
また、高齢者施設に入居すれば孤独死のリスクをなくすこともできます。
どこが幸せかという定義はありませんが、心配な場合は引っ越しや入所を検討するのも良いでしょう。
- Q一人暮らし女性が認知症になったらどうすればいい?
- A
一人暮らし女性が認知症になってからは対処のしようがないケースが多いです。
したがって事前に対策を取ることが大切です。
成年後見人制度などを利用して、いざというときに備えましょう。
また認知症予防のために、手先を動かしたり人と話したりすることも大切です。
- Qおひとりさまの終活に必要な費用はいくら?
- A
おひとりさまの終活にかかる費用は、外部サービスを利用するかどうかで大きく変わります。
成年後見人や事務委任契約を結んでくれる人、身元保証人などをすべて自分で探せる場合は殆どお金はかかりません。
しかし、これらを外部サービスに委託する場合は100万円以上の費用がかかるケースもあります。
ただし、払ってしまえば最後まで責任をもって対応してくれるので、リスクを考えると決して高いとは言えないでしょう。
身元保証人サービスなどを運営する終活協議会については、下記記事を参考にしてください。
- Qおひとりさまの終活に使える自治体サービスは?
- A
おひとりさまの終活に使える自治体サービスには以下のものがあげられます。
ご自身のお住いの自治体にどんなサービスがあるか調べてみましょう。
また、下記の記事では無料でエンディングノートを配布している自治体を紹介しています。
- Q一人暮らし女性が亡くなった後の財産ってどこに行くの?
- A
一人暮らし女性が亡くなると財産は国庫に移動し、国の財産として管理されます。
もし他の誰かに遺贈したい場合は、事前に公正証書で遺言書を作っておきましょう。
- Qおひとり様ってみんなどんな葬儀をあげているの?
- A
おひとりさまのお墓は先祖代々のお墓があればそこに埋葬されるのが一般的です。
しかし、現在はお墓に入らず散骨などを希望される人も増えています。
また未来の医療や科学の発展のために献体を希望する人もいるようです。
自分の埋葬方法を決めたい人は、死後事務委任契約を結んでおきましょう。
- Q一人暮らし女性のお墓はどうすべき?
- A
おひとりさまのお墓は先祖代々のお墓があればそこに埋葬されるのが一般的です。
しかし、現在はお墓に入らず散骨などを希望される人も増えています。
また未来の医療や科学の発展のために献体を希望する人もいるようです。
自分の埋葬方法を決めたい人は、死後事務委任契約を結んでおきましょう。
女性の一人暮らしでも終活は大切
今回は一人暮らし女性の終活について解説しました。
一人暮らし女性は周りに頼れる人も少ないため、終活をしっかりと行っておくことが大切です。
特に成年後見人制度や死後事務委任契約を生前にしっかりと結び、いざという時に備えましょう。