高齢者を狙った詐欺の中には、終活のための費用を騙し取ろうとするものもあります。
気を付けておかないと、せっかくの老後資金や家族に残した財産を騙し取られてしまうこともあるでしょう。
この記事では、終活詐欺の実態や手口を紹介しています。
詐欺に騙されないための注意点を解説しているので参考にしてください。
終活詐欺の実態や手口
それでは高齢者を狙った終活詐欺の実態を見ていきましょう。
高額商品や必要のない修理・修繕の売りつけ
終活詐欺の例としてまずあげられるのが、高額商品や必要のない修理・修繕の売りつけです。
特に訪問販売などで「屋根が壊れているのが見えたから張り替えた方がいい」「床下点検をさせてくれ」などといい、必要のない修繕を迫る方法があります。
屋根の修繕や床板の補強などは、素人ではなかなかわからないもの。
特に体力のない高齢者は、自分で確認することすら難しいでしょう。
「このままだと資産価値が下がる」「子どもが住めない家になってしまう」などと恐怖心を煽り、契約を迫るのです。
訪問販売などで屋根や家を見せて欲しいと行ってくる業者は警戒した方がいいでしょう。
セミナーなどで高額葬儀プランの購入
葬儀や終活の無料セミナーと称して人を集めて、高額な葬儀プランなどを販売する手口もあります。
家族に迷惑をかけたくないと事前にセミナーなどに参加して、葬儀などについて自分で調べている高齢者の人は多いです。
しかしセミナー自体は確かに無料なものの、その後の相談会などでお墓は新しく建てるべき、自分のところであれば全てを一任できるなどいい、高額な葬儀プランを契約させられるケースもあります。
生前の段階で葬儀を契約することは終活において非常に大切ではありますが、相場をしっかりと認識したうえで本当に高いお金を出す必要があるのかを検討しましょう。
下記記事では生前墓や葬儀の費用などを詳しく解説しているので、参考にしてどれくらいお墓や葬儀にお金がかかるのか確認してみてください。
身元保証サービスの契約トラブル
近年増えているのが身元保証サービスでの詐欺被害です。
身元保証サービスは家族に迷惑をかけないように、入院時の身元保証をしてくれるサービスです。
なかには死後事務委任契約を結べて葬儀なども全て一貫して任せられたり、専門の弁護士に相続相談ができるサービスもあります。
便利なサービスである反面、以下のような相談も多く寄せられています。
- サービス内容がよくわからないまま契約させられた
- 相手に薦められるまま高額なオプションをつけてしまった
- 説明のないまま高額オプションをつけられた
- 契約に沿ったサービスが提供されていないのに精算された
(参考:身元保証などの高齢者サポートサービスをめぐる契約トラブルにご注意|国民生活センター)
上記のような被害に遭わないためには、信頼のおける身元保証サービスを利用することが大切です。
下記記事ではおすすめの身元保証サービスや、身元保証サービスの正しい選び方を解説しています。
身元保証サービスの利用を検討している人は、ぜひ一読ください。
新聞のお悔やみ欄からの詐欺
新聞のお悔やみ欄は、故人の訃報を多くの人に知ってもらう際に大変便利ですが、お悔やみ欄をもとに詐欺被害に遭うケースもあります。
例えば、お悔やみ欄から故人の訃報を知った詐欺師が自宅に訪問して、以下のような話を持ちかけてくることがあるのです。
- 実は生前故人にお金を貸していたので返して欲しい
- 故人が契約しているサービスの契約が切れておらず料金が未納なので回収に来た
故人が亡くなって混乱している遺族は、その話を鵜呑みにしてお金を支払ってしまうこともあります。
上記のようなことがないように、借金なども含めた遺産相続やデジタル終活を進めておくことが大切です。
弊社のメッセージバンクでは、自分の遺産状況やWebサービスの利用状況を家族に確実に伝えられます。
あなたが亡くなりそうなタイミングに合わせてメッセージを登録しておけば、あなたが亡くなったあとにも大切な伝言を時空を超えて届けることが可能です。
遺族が詐欺に引っかからないためにも、以下のボタンよりサービスの概要を読んで備えておきましょう。
その他の特殊詐欺
上記以外にも、様々な特殊詐欺があげられます。
特に高齢者を狙った詐欺として有名なのがオレオレ詐欺でしょう。
息子などになりすまして連絡して、「会社のお金を横領してしまった」「事故に遭って今すぐ保証にお金が必要」などと煽りお金を振り込ませる手口です。
いきなり自分の子どもを名乗るような電話がかかってくると驚いてしまうかもしれませんが、安易に信用してはいけません。
終活詐欺の被害に遭われる人の特徴
終活詐欺に合わないためには、悪質な詐欺師から標的にされないことが何よりも大切です。
ここでは終活詐欺の被害に遭われる人の特徴を紹介します。
高齢で一人暮らしの人
高齢で一人暮らしの人は、終活詐欺の被害に遭う可能性が高いでしょう。
一人暮らしの高齢者は周りに情報を見極めてくれる人がいないため、全てを自分で判断しなければいけません。
そのため、若い人からすると怪しいと思われるような話にもつい耳を傾けてしまうこともあります。
また、主な情報取集先がテレビなので最新情報に疎いことも多く、ネット上で注意喚起がなされている詐欺の被害に遭ってしまうこともあるでしょう。
高齢で一人暮らしの人は、詐欺被害に遭わないよう特に気を付けることが必要です。
また高齢での一人暮らしは、詐欺だけでなく盗難や強盗などの被害にも気を付ける必要があります。
事前に終活などをはじめ、財産管理などを今一度見直しておくことが大切です。
一人暮らしの終活については、下記記事でも解説しているので参考にしてください。
認知症の人
認知症の人も終活詐欺の被害に遭う可能性があります。
認知症の人はどうしても認知能力が低下してしまうので、詐欺師からの話が怪しいかどうか判断できません。
最悪の場合には自分が騙されてしまったことにすら気付けなかったり、騙された事実を忘れてしまったりすることもあるでしょう。
認知症の高齢者が家族にいる場合は、行政の力も借りながら被害に巻き込まれないように支援してあげることが大切です。
終活詐欺に対する対策や注意点は?
終活詐欺の被害に遭わないためには、事前に対策を取り注意点を守ることが大切です。
ここでは終活詐欺に対する対策や注意点を詳しく解説します。
家族とのコミュニケーションは日頃からとっておく
終活詐欺に遭わないためには、日頃から家族とコミュニケーションをとっておくことが大切です。
高齢者の詐欺被害は、家族が知らないうちに被害に遭っていたというケースが多いです。
そのため日頃から家族でのコミュニケーションを大切にしておくことで、日常会話の中から詐欺被害に気付ける可能性もあります。
「こんな訪問販売があった」「こんなセミナーに参加してきた」などの会話から、家族が詐欺を見抜けることもあるでしょう。
契約や説明は書面を通じて行う
契約や説明を受ける際は、必ず書面を通じて行うようにしましょう。
書面を通じた契約がないと、金銭を支払ったあとに「そもそもそんな契約をした覚えはない」とはぐらかされてしまうケースもあります。
終活に関わる商品やサービスを購入する際は、事前に契約書類を提示していただき、納得したうえで契約するようにしてください。
もし自分一人で契約内容を確認することが不安な場合は、家族に同席を頼んだり地域包括支援センターに相談してみたりして一人だけで判断しないことが大切です。
サービス提供後に代金を支払う
サービスは基本的に提供後に代金を支払うようにしましょう。
契約段階で前払いをしてしまうと、支払った直後に連絡が取れなくなってしまうケースもあります。
身元保証サービスや保険などでは難しいこともありますが、商品購入などは実際に目の前に商品があることを確認してから代金の支払いに応じてください。
デジタル終活を進めておく
デジタル終活を進めておくことも大切です。
デジタル終活とは、自分が亡くなる前にサブスクリプションサービスの解約やネット証券の口座の情報を整理するなどWebやデータに関わる終活を進めることです。
事前にデジタル終活を進めておくことで、自分がどのようなネットサービスを利用中なのかを明確にできます。
自分でどのようなサービスを使っているかを把握できるので、いきなり「未払いのサブスクリプションサービスを振り込んでください」といったメールなどが来ても詐欺と判断できるようになります。
デジタル終活については、下記記事でも解説しているので参考にしてください。
終活詐欺に引っかからないようある程度自分で終活を進めてみよう
終活詐欺は高齢者にとって身近な問題でもあります。
自分には関係がないと考えず、いつ自分の身に起きても大丈夫なように対策を取りましょう。
終活詐欺に引っかからないためには、自分で終活を進めておくことが大切です。
弊社サービスのメッセージバンクを利用して、情報を守るとともに終活をはじめてみましょう。