近年注目を浴びている墓友。
利用を検討される人も多いと思いますが、実際に利用しようとすると「本当に大丈夫?」「メリットとデメリットは何?」と疑問も出てくるでしょう。
そこでこの記事では、墓友の内容やメリット・デメリットを詳しく解説します。
墓友との出会い方や注意点も解説しているので参考にしてください。
墓友は友人同士でお墓を共有すること
墓友とは、友人と共同で墓地に埋葬されることです。
おひとりさまで一人でお墓に入るのが寂しいと感じる人同士が、共同で墓地を購入します。
近年では時代も大きく変化しているので、お墓への埋葬方法も多種多様になってきています。
墓友の利用者が増えている理由
墓友の利用者が増えているのには、以下の理由が考えられます。
独身者や単身者が増えている
墓友の利用者が増えている理由としては、独身者や単身者が増えていることがあげられます。
一昔前までは多くの人が結婚し子どもを産むのが当たり前の世の中でした。
しかし、現在は価値観が多様化したことで、独身やおひとり様を楽しむ人も増えています。
独身者や単身者で生活するのは苦にならなくても、お墓に一人で入るのは悲しいと考えるのは不思議ではありません。
独身で人生を生き抜いた最期くらいは、誰かと安らかに眠りたいと思い墓友を探す人が多いです。
お墓を継ぐ人がいない
近年は少子化に伴い、お墓を継ぐ人がいないケースも珍しくありません。
お墓を継ぐ人がいない場合は墓じまいをしないと、無縁仏になってしまいます。
お墓を継ぐ継承者がいない人は実家の墓じまいをして自分のお墓は友人とともに共同墓を購入するという人もいるのです。
価値観が変化している
昔の日本では血縁という考え方が根付いていましたが、現在はその価値観も変化しています。
「最期は自分が好きな人と過ごしたい」「家に縛られず自由に眠りたい」と考える人も多いです。
自分の個人の意思を尊重するために、あえて家のお墓には入らず墓友と共同墓を作る人も少なくありません。
墓友のメリット4つ
墓友のメリットは主に以下の4つがあります。
亡くなることへの不安を解消しやすい
墓友を作ることで、亡くなることへの不安を解消しやすいメリットがあります。
おひとりさまや独身の場合は、どうしても自分の最期が不安になるものです。
墓友がいることで「孤独死をしたらどうしよう」「認知症になったらどうしよう」など様々な恐怖心から解放され前向きに生きていくこともできます。
お互いに孤独死を起こさないように定期的に連絡と取り合う、認知症にならにように一緒に趣味を始めるなど残りの人生をよりよくするための計画も練れるでしょう。
自分が最期を迎えるときに一人ではないと思えるので、心強い存在になってくれます。
墓友を探す中で交友関係が広がり深まる
墓友は旧友だけでなく、老後に知り合った人でも問題ありません。
近年は墓友を探すサークルなどもあるので、墓友を探す中で交友関係を広げることができるでしょう。
また旧友と墓友になることを約束した際には、より人生の最期のパートナーとしての絆が強くなるものです。
性別に関わらず最期を迎える、看取る相手として今まで以上に深い繋がりを感じることができるでしょう。
終活の相談相手になる
墓友ができると終活の相談相手にもなってもらえます。
終活を行うと以下のような疑問も出てくるものです。
- 最期を迎えるためにどんな準備が必要なのか
- エンディングノートには何を書く
- 親戚には何かメッセージを遺してあげたい
上記の事柄について、墓友に相談できるのは終活を進めていくパートナーとしても心強いでしょう。
一緒に終活の本を貸し合ったり、終活イベントに参加したりしてすれば前向きに終活を進められますよ。
お墓の購入費用を折半できる
お墓の購入は人生最期の大きな買い物です。
お墓は共同墓であっても数十万円、場合によっては100万円程度することも珍しくありません。
そのため、墓友と折半することで費用を大きく削減できるでしょう。
墓友は複数人でも大丈夫なので、一緒にお墓に入ろうと決めた友人が多いほど購入するお墓の費用も下げられます。
墓友のデメリット2つ
メリットの多い墓友ですが、以下の2つのデメリットがあるので注意しましょう。
家族や親戚から理解されないことも
墓友は近年見られるようになった価値観でもあるので、家族や親戚から理解されないケースもあります。
特に家や血縁の考え方が根強い家庭では、理解してもらいにくいかもしれません。
親戚などを理解してもらうために、どう説得すべきかを考えておく必要があるでしょう。
費用などトラブルが発生することも
墓友は費用や管理などの面で、トラブルが発生することもあります。
特に費用に関してはお金が関わることなので、誰がいくら出すかなどの問題に発展しがちです。
事前に予算などはきっちりと決めておかないとせっかく墓友にもなれるほどの友情が壊れてしまうケースもあります。
また管理についても、最終的に誰がお墓の管理をするのかを現実的に決めておくことが大切です。
一人の方が管理するとしてもその方が亡くなってしまっては元も子もありません。
当番制にしたりパターンごとに約束事を決めたりして対策を取りましょう。
墓友と出会う方法は?
墓友と出会う方法としては、以下の3つがあげられます。
墓友サークルに入る
墓友と出会うためにまずあげられるのは、墓友サークルに入る方法です。
現在では墓友を出会うことを目的に様々なNPO法人やお寺さんでイベントが開催されています。
実際にNPO法人の「りすシステム」は墓友と出会えるイベントを開催したり、合葬などに関する説明回を開催するなどを精力的に行っています。
また東京の東長寺では会員制の永代供養墓を設け、座禅会や水彩画同好会など墓友と出会える機会を多く提供しています。
一人でお墓に入るのは寂しいという人はNPO法人やお寺さんのイベントに参加してみましょう。
終活講座などを受ける
終活講座を受けながら探すのもおすすめです。
終活講座の中にはおひとりさま向けのイベントなども開催されているので、参加することで墓友となれるほど仲良くなれる人とも出会えるでしょう。
終活に関する知識も身につけられるので一石二鳥です。
おひとりさまの終活に関しては、下記記事でも解説しているのでぜひ参考にしてください。
親友がいる場合は相談してみる
同じ境遇の親友がいる場合は、相談してみるのもおすすめです。
昔ながらの友人であればお互いの気持ちや境遇も阿吽の呼吸のように分かり合えるでしょう。
最期まで一緒にいたい旨を伝えれば、あなたの気持ちをわかってくれるかもしれません。
親友と墓友になることができれば、きっと安らかに眠れるはずです。
墓友を探す注意点
墓友を探す際は以下の注意点を守ることが大切です。
家族や親戚には必ず相談する
墓友と一緒に共同墓地に入る際は、家族や親戚に必ず相談するようにしましょう。
特に自分の本来入るはずだったお墓がある場合は、家族に無断で墓友との共同墓に入ることを決めてはいけません。
家族の理解を得られないまま勝手に決めてしまうと、家族間や親戚間の関係が壊れてしまったり、恨まれてしまったりする可能性もあります。
お墓に関しては特に宗教的な思想も関わるので、独断で決めることは避けましょう。
またお墓のあり方について家族と今一度話し合うことであなたの気持ちも変わるかもしれません。
お墓の立地に注意する
お墓を購入する際は立地に注意が必要です。
お墓のアクセスが悪いと、管理もしづらくお墓参りもしづらいです。
最悪の場合なかなか管理が行き届かず、無縁仏になってしまう可能性もあるでしょう。
自分または墓友が遺されることを考えてお互いにとってアクセスの良い場所にお墓を建てましょう。
永代供養が安心
墓友と入るお墓は永代供養を選ぶと安心です。
永代供養とは自分たちが亡くなった後にお寺さんが変わって供養や管理を行ってくれるお墓です。
亡くなった後に無縁仏になる心配がないので、最も安全な埋葬方法と言えます。
ただし永代供養は一定の期間が過ぎると他の人たちとの合葬となるので、墓友とともに確認しておきましょう。
一般墓は継承者が必要
一般墓を建てて墓友とともに入る場合は、継承者を選んでおきましょう。
一般墓は永代供養や合葬とは違い、自分たちの身内で管理が必要です。
継承者がいない場合は無縁仏になってしまい管理者が誰もいなくなってしまうので注意が必要です。
お墓の費用分担は平等に
お墓の費用は、平等に分担した方がトラブルが少ないです。
墓友との間で最も起こりやすいトラブルが金銭トラブルです。
最期に一緒に眠るお墓を選ぶのに言い争いはしたくないもの。
事前に予算を決めて平等に折半することを約束しましょう。
墓友を探す際は、金銭感覚が似ている人を探すとトラブルに発展することを防ぎやすいです。
老後の不安を墓友と一緒に解消しよう
老後が不安というときに助けになる墓友。
おひとりさまや独身者には特に心強い存在となるでしょう。
NPO法人なども利用しながらぜひ墓友を探してみてくださいね。
またお墓の件を含めて家族に終活の情報を共有したい場合は、メッセージバンクの利用もおすすめです。