将来的に老人ホームの入所を考えている人の中には、入所のために保証人がいるのか不安になっている人もいるでしょう。
この記事では、老人ホームの保証人の要否に関して詳しく解説しています。
保証人がいない際の対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
【結論】老人ホームは保証人が必要
結論、老人ホームを利用する際は多くの施設で保証人が必要です。
老人ホームで保証人が必要な理由の多くは、費用未払いなどのリスクを避けるためです。
また、保証人と同様の意味で身元引受人があります。
保証人は連帯保証人として金銭面の支払を保証することですが、身元引受人は利用者が亡くなった際にその身元を引き取る人を指します。
多くの場合は保証人が身元引受人の役割を担うケースが多いですが、施設によってはそれぞれを明確に分けていることもあるので注意しましょう。
上記のような場合は保証人と身元引受人をそれぞれ用意することが必要です。
老人ホームの利用に保証人が必要な理由4つ
老人ホームの利用に保証人が必要な理由は以下の4つです。
費用の未払いの際に保証するため
老人ホームの利用に保証人が必要な一番大きな理由は、費用の未払いの際に保証するためです。
万が一施設利用者が利用料を支払えなかった場合は、保証人が代わって支払うことが必要です。
また支払えるだけの資産等を利用者が保有していたとしても、認知症などで判断力が低下して支払い自体ができないケースもあります。
このような場合には、支払い手続きを保証人が代わりに行います。
老人ホームは高額なため、あらかじめ支払いを保証してくれる人を立てることが必要です。
医療方針などを本人に代わって同意するため
認知症などで利用者の判断力が低下している場合は、医療方針や老人ホームから提案されるケアプランなどの意思決定を保証人が代わって行います。
また各種税金や年金、保険といった手続きも、認知能力が低下している場合は保証人がサポートしてあげることが必要です。
死亡時の身元引受や原状回復・遺品回収など
保証人は、施設内で利用者が死亡した場合に身元引受を行う役割を担うためにも必要です。
また老人ホームを退去する際は、遺族が利用していたベッド周りの原状回復や遺品の回収を行います。
身柄を引き取ったあとは、保証人が葬儀などの手続きや納骨を行うことも必要です。
緊急時等の連絡
利用者の病気やケガ、死亡などの緊急時の連絡先としても保証人は必要です。
また緊急で治療が必要な際に本人の判断能力が低下している場合は、本人に代わって意思決定を行います。
状況によっては命に関わる重要な選択を行うこともあります。
老人ホーム入所で保証人・身元引受人がいないときの対処法
老人ホーム入所で保証人や身元引受人が身近にいない場合は、以下の対処法を取りましょう。
保証人不要の老人ホームを利用
保証人が見つからない際の対処法として、保証人が不要の老人ホームを探すことがあげられます。
多くの老人ホーム保証人が必要ですが、なかには保証人不要の老人ホームもごくわずかながら存在します。
しかし、高齢社会かつ単身世帯の増加により、入所倍率は非常に高いといわざるを得ません。
根気強く探したり、住み慣れた場所より遠方で入所が必要だったりとデメリットもあります。
成年後見制度が利用できる老人ホームを探す
成年後見制度が利用できる老人ホームを探すのも1つの手です。
老人ホームのなかには保証人ではなく、成年後見人でも良いとしている施設もあります。
成年後見制度とは、判断能力が低下している人のために財産の管理や契約・手続きなどを代行する人を委任する制度です。
成年後見人は家庭裁判所により選任される「法定後見制度」と、本人が判断力があるうちに委任しておく「任意後見制度」の2種類があります。
保証サービスを行っている会社や団体を利用する
どうしても保証人が見つけられない場合は、保証サービスを行っている会社や団体を利用しましょう。
費用はかかりますがその分確実に保証人を見つけることができます。
保証人サービスは様々な会社や団体が行っていますが、おすすめなのは一般社団法人終活協議会と一般社団法人プラスらいふサポートです。
これらの団体は、一般社団法人として営利を目的をしない形で保障サービスを提携しています。
それぞれ国税庁のサイトに登録されている信頼のおける団体なので、安心して利用できるでしょう。
詳しい特徴やメリット・料金などは、下記記事でも解説しているので参考にしてください。
成年後見制度を利用する際の注意点
成年後見制度を利用する際は、以下の注意点を守ることが大切です。
法定後見制度は医師の診断が必要
成年後見制度のなかでも法定後見制度を利用するには、医師の診断が必要なので注意しましょう。
医師の診断によって判断力の低下が認められてはじめて利用できる制度です。
また家庭裁判所の決定も必要になるので、認知症を発症してから後見制度が利用できるまで時間がかかります。
すぐに老人ホームに入所することができないので、認知症を発症する前に早めに任意後見人を探しておくようにしましょう。
後見人=保証人ではないので注意
老人ホームのなかには後見人を保証人に充てるケースもありますが、厳密にいえば後見人=保証人というわけではありません。
当然、後見人がいたとしても別で保証人が必要な老人ホームが一般的です。
確実に老人ホームに入所するためには、優先して保証に探すことが先決でしょう。
老人ホーム入所の前には終活をやっておこう
老人ホームへの入所する前には、終活を行っておくことがおすすめです。
基本的に老人ホームは終の棲家として利用する方が多いでしょう。
施設に入所したあとは、自宅の生前整理やエンディングノートの作成なども難しくなるものです。
入所前に終活をすべて終わらせ、すっきりした気持ちで新生活を臨めるようにしましょう。
具体的な終活のやり方は下記記事でも解説しているので参考にしてください。
老人ホーム入所の際に保証人がいない際のよくある質問
最後に老人ホーム入所の際に、保証人がいないときのよくある質問を紹介します。
- Q老人ホームの保証人は1人で大丈夫?
- A
老人ホームの保証人は基本的に1人で問題ありません。
しかし、保証人と身元引受人を明確に分けている施設の場合はそれぞれ1人ずつ必要になります。
- Q老人ホームの保証人には誰でもなれるの?
- A
老人ホームの保証人は支払いの代行など重要な役割を担うので、家族や親族がなるのが一般的です。
しかし身寄りのない人の場合などは、代行する会社や団体が身元保証人になることも可能です。
- Q老人ホームの保証人が死亡した場合はどうなる?
- A
保証人が先に死亡してしまった場合は、新たに保証人を立てる必要があります。
有料老人ホームのなかには、老人ホームが専門家と提携して身元保証をサポートしてくれるケースもあります。
- Q老人ホームの連帯保証人の極度額って何?
- A
老人ホームの連帯保証人の極度額とは、保証人が保証しなければならない限度額です。
利用者が支払い不可能になった場合は保証人が代わりに支払うことになりますが、極度額によって上限が設定されています。
どんなに利用者が支払っていなくても極度額以上の支払い義務が発生することはありません。
老人ホーム入所は保証人がほぼ必須!サービスを上手に活用しよう
老人ホームを利用する際は、保証人はほぼ必須です。
そのため早めに入所への備えを行い、あらかじめ保証人を立てられるようにしておきましょう。
入所を決める前には、終活を終わらせておくことも重要です。
弊社サービスのメッセージバンクも上手に利用しながら、終活を進めてくださいね。