「おひとりさまって終活すべき?」「おひとりさまの終活でやるべきこととは?」
こんな悩みを抱えていませんか?
終活は残された家族のために行うことというイメージを持たれることも多いですが、おひとりさまにとっても重要です。
この記事ではおひとりさまが終活を行うメリットややるべきことをしっかりと解説しています。
孤独死のリスクなどを避けるために利用すべきサービスも紹介しているので、参考にしてください。
おひとりさまは終活が必須|孤独死のリスクあり
結論、おひとりさまの場合は終活が必須です。
終活を行っておかないといざというときに孤独死をしてしまうリスクもあります。
実際に内閣府が令和元年に行なった調査では、東京23区内の3,936人もの一人暮らしの高齢者が自宅で亡くなっていることがわかっています。
引用元:令和3年版高齢社会白書(全体版)|内閣府
非常に多くの人が自宅で亡くなっているので、孤独死のリスクが高さが把握できるでしょう。
一人暮らしの高齢者の中ではこの孤独死のリスクに対して身近な問題として感じる人も多く、平成30年の調査では一人暮らしの60歳の約半数が身近な問題としてとらえています。
引用元:平成30年版高齢社会白書(全体版)|内閣府
おひとりさまの高齢者にとって孤独死は誰のみに起こってもおかしくないので、必ず終活が必要です。
おひとりさまで終活を行うメリット
おひとり様が終活を行うと以下のメリットがあります。
孤独死のリスクを下げられる
おひとりさまが終活を行うことで、孤独死のリスクを下げられます。
おひとりさまの高齢者は地域との交流などがないと、万が一亡くなった際に誰かに見つけてもらうことは困難です。
終活を通じて見回りサービスに登録したり、いざというときの後見人契約などを結んでおけば孤独死リスクを避けられます。
自分の死に事前に備えて、納得できる最期を迎えましょう。
老後に対する不安がなくなる
前もって終活を行っておくことで老後の不安をなくすことができます。
特におひとりさまの場合は、頼れる人が少ないケースもあるのであらかじめサービスに登録したり自治体を利用したりして備える必要があります。
何かが起きても助けてくれる人がいるという安心感を得ることができるので、老後を前向きにとらえることができるでしょう。
せっかくの老後を怖がってしまうのはもったいないので、終活をして不安をなくし楽しい老後を過ごしてください。
物を整理して余裕を持って生きられる
終活で身辺整理を行なえば、すっきりして余裕を持ってすごすことができます。
不用品を処分すれば、家の中が片付くだけでなくあなたが亡くなったあとの遺品整理の手続きもスムーズに進みます。
必要なものにだけ囲まれる生活を送れると、経済観念も鍛えられるので自分にとって本当に必要なものも見えてくるでしょう。
生活がシンプルになり、自分のこれからを考えたり楽しんだりする時間も増やせますよ。
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おひとりさまが終活でやるべきこと
おひとりさまが終活でやるべきことは以下のとおりです。
エンディングノートを作る
おひとりさまが終活を行う際は、エンディングノートを作ることから始めましょう。
エンディングノートは自分の医療や介護における意向、葬儀やお墓について考えをまとめるためのノートです。
記載しておくことで自分の最期についての気持ちを固められるだけでなく、後見人の人が見てあなたの意向に沿った手続きを進めてくれます。
何について書かなければいけないという決まりはありませんが、以下について記載しておくと自分の死生観を確かめるだけでなく、いざというときの手続きもスムーズに進められます。
エンディングノートの詳しい書き方は下記記事でも解説しています。
ぜひ一読して、実際にエンディングノートを作成してみましょう。
断捨離してすっきりする
断捨離をしてすっきりしておくのもおすすめです。
おひとりさまの場合は、あなたが亡くなったあとの遺品整理を親戚や後見人の人が行います。
家の中にあまりにも物が多いと手続きがスムーズにいかないばかりか、処分に時間とお金がかかるケースも多いです。
あらかじめ断捨離しておくことで、遺族に迷惑をかける心配もなくなるでしょう。
また女性の一人暮らしの場合には、物が多すぎると災害時に押しつぶされるなどリスクもつきものです。
自分の命や健康を守るためにも、余計なものは処分しておくのがおすすめです。
一人暮らし女性の終活については、下記記事でも解説しているので参考にしてください。
死後事務委任契約を結んでおく
おひとりさまの場合は、死後事務委任契約を結んでおくことが非常に大切です。
死後事務委任契約は、あなたの死後に発生する様々な事務手続きを第三者に一任しておける制度。
具体的には以下の手続きを行ってもらいます。
多くの場合は、親族に死後事務委任契約を依頼するのが一般的です。
しかし身寄りのない人の場合は、行政書士などにお願いすることも可能です
費用はかかりますが、あらかじめ契約を結んでおけばいざというときに事務手続きをすべて依頼することができます。
医療や介護の意向を固めておく
医療や介護の意向について固めておきましょう。
例えば、将来的に施設に入るのか自宅で過ごすのかなどは、おひとりさまにとってとても大切な判断です。
特に年齢が高くなるとアルツハイマーなどの病気のリスクもあるので、正常な判断ができるうちに方針を固めておきましょう。
ある程度方針が固まれば、どれくらいのお金が必要になるのかの計算も可能です。
例えば、将来的に介護施設で老後を過ごしたいのであれば、一般的には月15万円程度かかると言われています。
75歳から15年間入ると仮定すると、2,700万円程の費用がかかる計算になります。
非常に多くのお金がかかることがわかるので、今のうちからつみたてNISAなどを利用して老後資金を貯めておくなど必要な対策が明確になるでしょう。
任意後見人契約を結んでおく
任意後見人契約を結んでおくことも大切です。
任意後見人契約とは、認知症などを発症して判断力が低下した際に財産管理や介護に関する手続きを行う人を依頼しておく契約を指します。
年金や保険などの手続きも代行してくれるので、いざというときも安心です。
任意後見人契約は、判断力が落ちてから選ぶことはできないので健康である今のうちに結んでおくのがおすすめです。
任意後見人契約は本人が指名すれば誰でもなることができますが、身寄りがない場合は裁判所が任意後見監督人を選別します。
多くの場合は社会福祉協会や弁護士、司法書士などが選ばれます。
財産管理等委任契約を結ぶ
財産管理委任契約とは、老化や健康上の問題が出た際にあなたに代わって財産を管理してもらう契約です。
任意後見人制度は本人の判断力が低下した際に認められるのに対して、財産管理等委任契約特に要件などは特になくいつだれがなっても問題ありません。
ただし公正証書の発行などの手続きがないので社会的信用が低いデメリットがあります。
特別な事情がなければ任意後見人契約を結んでおけば問題ないでしょう。
身元保証サービスを利用する
おひとりさまで身寄りがない場合は、身元保証サービスを利用しましょう。
身元保証サービスは、あなたが入院や施設へ入所する際に家族や親族に代わって身元保証人になってくれるサービスです。
身寄りがなくても医療や介護のサービスを受けられるので安心して老後を迎えられます。
身元保証サービスとして有名なのは、一般社団法人終活協議会です。
身元保証サービスだけでなく、見回りサービスや各種委任契約の代行、遺書制作のアドバイスなども行ってくれます。
下記記事で評判などを解説しているので参考にしてください。
遺言書を作る
預貯金や財産がある場合は、遺言書も残しておきましょう。
遺言書を残しておくことで、自分の財産を相続する人を自分で選べるメリットがあります。
親や兄弟、親戚などに残したい資産がある場合は遺言書を残すのがおすすめです。
遺産相続の意向はエンディングノートに書くことも可能ですが、エンディングノートの場合は法的拘束力がありません。
遺言書に残しておけば確実に遺産相続ができるので、安心ですよ。
デジタル終活を行う
デジタル終活を行うことも大切です。
デジタル終活とは、SNSアカウントやスマホ・PC内のデータといったデジタル機器に関する終活を行っておくことです。
不要なデータや利用していないサービスはあらかじめ削除しておくことで、自分が亡くなったあとに見られたくないデータが親戚に見られる可能性を下げられます。
またサブスクリプションサービスなども前もって解除しておくことで、あなたの死後に料金が発生するなどのトラブルも避けられます。
利用していないサービスは停止して、利用中のサービスについてはログイン情報も含めてエンディングノートに記載しておきましょう。
デジタル終活については下記記事でも解説しているので参考にしてくださいね。
お墓や葬儀のことを決めておく
お墓や葬儀の意向も決めておきましょう。
近年は自分の最期をユニークな形で締めたいという人も多く、大好きな明るい曲をかけてる音楽葬や海への散骨など思い思いの形で最期を迎えるケースも増えています。
自分の最期をどのようにしたいのかを決めておけば、後見人や遺族がその思いを叶えてくれるでしょう。
また前もって葬儀屋に葬儀のプランを相談しておけば、意向に合わせた葬儀を行ってくれます。
残りの人生の楽しい計画を立てる
終活を行う際は、残りの人生の楽しい計画を立てることも大切です。
ワクワクするような計画を立てて老後を前向きにとらえましょう。
終活は自分の最期について考えるため、ネガティブなことととらえる人もいるはず。
しかし実際は自分の死生観を深めて、今後の人生をより良くするためのものでもあります。
老後にやりたいことを考えてポジティブに過ごしましょう。
おひとりさまの終活に関するよくある質問
最後におひとりさまの終活に関するよくある質問を紹介します。
終活に関する疑問をすべて解消して、早速取り掛かってみましょう。
- Qおひとりさまの終活に向けた自治体のサービスはある?
- A
自治体では無料でエンディングノートを配布していることもあります。
費用をかけずにエンディングノートの作成を始められるので、ぜひ利用してみましょう。
エンディングノートを配布している自治体は、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてくださいね。
- Q終活セミナーは受けた方がいい?
- A
おひとりさまが終活セミナーをうけるのはおすすめです。
終活セミナーでは、終活アドバイザーなどの有資格者から具体的な終活の進め方やエンディングノートの書き方を学べます
なかには無料で学べるセミナーもあるので、ぜひ利用してみてください。
今年行なわれる終活セミナーについては下記記事で解説しているのでご一読ください。
- Qおひとりさまはいつから終活を始めるべき?
- A
終活はいつからはじめるべきといった明確な決まりはありません。
はじめようと思ったときがはじめどきです。
しかしなるべく早い時期に始めた方が、老後への備えができるなどメリットが多いです。
興味を持ったタイミングではじめてみてください。
- Qおひとりさまの終活にかかる費用はいくら?
- A
おひとりさまの終活にかかる費用は、0円~150万円程度と幅広いです。
エンディングノートを作成するなど自分でできる範囲のことをするだけであれば、特別費用がかかることはありません。
しかし、身元保証サービスなどの外部サービスを利用する場合は大きな金額が必要になるケースもあります。
まずはできることからはじめて、身元保証などが必要だと感じた場合は費用をかけるのがおすすめです。
- Qおひとりさまの終活は40代や50代から始めるのは早い?
- A
終活に早すぎるということはありません。
早ければ早いほど老後に向けた備えができるので、思い立ったときに行うのがおすすめです。
ただし年代によって終活で優先すべきことは変わります。本サイトでも各年代ごとの終活のポイントをまとめているので、参考にしてください。
- Q女性の一人暮らしでも終活はすべき?
- A
女性の一人暮らしでも終活を行うべきです。
特に女性は体力的にどうしても男性より劣るので、災害や犯罪に対する備えは重要です。
身辺整理などを行い荷物を少なくしたり、金融情報をまとめたりして備えておきましょう。
任意後見人契約などの制度を利用するのもおすすめです。
- Qおひとりさまの終活に役立つ本はある?
- A
おひとりさまの終活におすすめの本は以下の3冊です。
タイトル 内容 おひとりさまの終活―自分らしい老後と最後の準備 シニアにとって重要な医療や介護についてシビアな内容が書かれている。
シビアだからこそ向き合わなければいけないことを感じられる。ひとり終活 不安が消える万全の備え 老後に起こる「もしも」に備えられる本。
「もしも倒れたら」「もしも認知症になったら」といったケースごとの情報が得られる。おひとりさまの死後事務委任 死後事務委任契約についてしっかりとまとめられている本。
一冊あれば問題なく契約を進められる。本の情報も上手に利用して終活を進めましょう。
おひとりさまは終活をして安心して老後を迎えよう
おひとりさまにとって老後は不安が大きいものです。
終活をすることで、自分の最後への不安も軽減できポジティブな気持ちで老後を迎えられます。
楽しい計画も一緒に立てればおひとりさまでも充実した毎日を送ることができるでしょう。
ぜひ終活にチャレンジして、素敵な老後を迎えてくださいね。